四人一組になり、殴りかかる一人と、守られる一人、左右から守られる人を庇う二人という組み合わせで、ワークをしました。
どういう形で守られたら安全や安心を感じられるだろうか、というワークだったのですが、守られる立場になった時にわたしが感じたのは、腹筋の衝撃と心臓の脈動でした。
そして父親の残像。
いきなり涙があふれてしゃがみこみ、リタイアしました。
びっくりです。
いったい何が出てきたの?
こんな風になるなんて予想だにしていませんでした。
涙の中で声が聞こえます。
二人じゃ駄目だ。
三人でも四人でも、何人がかりでも駄目だ。
もし守ってくれるというのなら、本当に守ってくれるというのなら、あの人を殺して! わたしの前から完全に消して!! 殺して、殺して、殺して!!
それ以外じゃ駄目だ。安全だなんて思えない。
今守ってくれたって、次は?
明日は?
明後日は?
何のやくにもたたないじゃない!!
…わたしは今まで知らなかったのです。
父親が暴れるのがどんなに怖かったのか。
泣いたことなんてありません。
恐怖を感じたこともありません。
そんなことを感じていたら、毎日をおくれなかったから。
こんなにも体に染み着いた恐怖があったなんて…。
殺すか、永遠にどこかに閉じ込めること以外では解放されない。彼が死んだ今でさえ、多分一生拭い取れない体の記憶……こんなに恐ろしいものを抱えていたなんて……。
わたしは体の危険信号に鈍感です。
感覚を眠らせることで危機に対処していたから、他の危険も感じ取れないのです。
こんなに大変だったんだ…。
やっと身にしみたよ。
これからはちゃんと危険信号を受け取るからね。
危険だと教えてくれたら、きちんと用心するからね。
得られなかった体験というのは、これまで優しい暖かいものだと思っていました。
でもそれだけじゃないんだ。
不快だったり危険だったりする感覚も、奪われていたんだ。
溢れ出したものにはびっくりしましたが、ワークをしてみて良かったです。
これも大切なわたしの一部だから。
日本酒の匂いと同じように暴力の気配も、わたしの爬虫類脳に焼き付いた消せない記憶なんだなあ。
だからといって、もう引きずられたりはしないけど。
用心しないといけないっていうだけのこと。
暴力はわけもなく怖いんじゃなくて、ちゃんと理由があったんだ。
加害者が反省したり、一時的に監禁されたりするだけじゃ足りなくて、永遠に排除しないと救われない、死んでしまえと願わずにはいられない過激さには、ちゃんとそれだけの裏付けがあったんだ。
そして。
よく生き延びたよ。
偉いよ、わたし。
これまでで一番印象に残るワークとなりました。
シェアの時間が面白かったです。
みんな安心感を感じるんだなあ。
こんなに違うんだ。
わたしと。
違っているから、わたしはみんなに共感はできないけど、いろんな世界があるんだと知ることができて単純に面白かったです。
引け目とか、悲しみは全くありません。
ただ違う。
それだけ。
これがわたし。
それがあなた。
こんなに違うんだねえ。
面白いねえ。
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