ジョイ・アンドレアのプロセスグループセッションとインターネットラジオ

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愛と、恐怖と、怒り(anger)と、暴力(violence)の居場所

①愛と恐怖がともにあるときの葛藤を理解する

来日していたジョイ・アンドレアのプロセスグループセッションに参加してきました。

わたしの感覚では、ジョイのビーイングは、かつてわたしが一番ひどい状態の時にお世話になった手塚郁恵さんに重なるものがありました。
決して侵入せず、空気のように共に居つづけながら、すべての微細な感覚に充分な時間と愛を与えてくれる。
その安心安全の上にジョイの、涼やかで明朗な知性と霊性が加わり、かつて体験したことのないホールドの中で静かなプロセス(ファシリテーターもクライアントも参加者も椅子に座ったまま動かないのに、深く深くプロセスが進行していく)がおこります。

安心で、限りなく深く満たされ、気が付いたら変容が起きている。個人セッションでも体験できることですが、グループのエネルギーの中で、人との関係性の中で、響きあい重なり合い進んでいくとき、一人では到達できないところへ光と癒しが届きます。
元々は、ただジョイにお会いしたいなあ、ジョイのプロセスってどんなんだろう、と参加を決めていただけだったのですが、その場にいたら、実際に自分でも味わってみたくなり、クライアントの一人として手をあげました。

実は4月にインターネットで、こんなことをしているんだよ~というラジオの収録があったのです。
が、なぜだかわからないけど、そのラジオを自分で聞けないし、誰にも紹介できないままでいました。
人と繋がることを思う時、どうして未だにこんなにも抵抗が起きるのかわからない、というのがテーマです。

人と繋がりたい時、わたしは鼻から喉、食道にかけて焼け付くような飢えと痛みを感じます。足の感覚がなくなり、手が震えます。
怖いということが感情的な反応だと今では判っているので、怖くても行動はします。
怖さを感じながら、グラウンディングをしようと公園に行き、はだしで空を見上げ、心地好さを深呼吸してラジオに臨む。収録しながら、喜びとともに恐怖を感じながら、それでも伝えたいわたしに繋がり続ける。
けれどもみぞおちからお腹が凍りつくのです。それがどうしたら温まるのか、わからない。

「ナオさん、あなたが感じている痛みがとても苦しいものだとわたしは今理解しています」
ジョイは、その感覚に意識を向けるように促します。どうにかしようとせず、ただそこに共にいるようにと。微細な感覚を十二分に体験できるよう、時間も言葉もスローダウンした特別なホールドの中に入ります。
わたしが何かを告げ、ジョイがそれについて自分がどう受け取ったとか、その感覚の理由を返し、それを聞いてわたしに何が起こっているのか、また静かに問います。

「ナオさん、あなたにとって繋がるとはどういうことですか、その感覚は馴染んだものでしょうか、思い出すようなエピソードはありますか・・・」
とジョイの静かな問いかけが耳に入ります。

「わたしにとって、繋がるとは、(教師であった)両親が次から次へ、新しい子供たちを大切にするということ、わたしの時間が無くなるということです。父がアルコール依存となり、母親がそれだけに集中するということ、母親に一番つらいときに助けを求めるとエネルギー的に手ひどく拒絶されるということ、父親とのかかわりが暴力を受けることだということです。育ててくれた他人の家の年上の娘が、母親を取られたと嫉妬をぶつけてくる、その家に馴染んだ私に、実の兄が嫉妬をぶつけてくるということ・・・」
言いながら鼻、のど、食道の傷みがどんどん激しくなります。

今の話を聞いてどう思いましたか、とジョイが他の人たちに聞きます。

「体験は人それぞれ違うかもしれません。でもわたしたちは同じ痛みや感情を知っているのです」
その絶望的な孤独の痛みをわたしも知っている。だから、助けて欲しいときにはそれを判ってくれるナオちゃんにサポートを求めるんだよ、とシェアしてくれた人がいました。
それを聞いてどう思いますか?とジョイから聞かれたときに、本当の傷みが現れてきました。大好きなその人から届く愛の柔らかさを感じている今もなお、わたしのお腹が凍りついていること。

「わたしも怖いと感じる時に、側にいる人に手を伸ばし、人の暖かさを受け取ろうとします。判ってくれる人、信頼して大好きな人に。でも、その手を取っても私の手は暖かくならないんです。わたしはその自分を一番責める」

別の方が、わたしも収録したラジオは聞かないわ、とシェアしてくれました。繋がりたいと思う気持ちも感じるけど、怖くてたまらないもの。
ああ、これは真実の言葉だとそのグループの中で感じた時に、ふっと孤独ではないんだ、と腑に落ちました。同じ痛みを感じている人がいる。その一番深いところを、わたしにもそれがあるよ、と返してくれる人がいる。

愛が暴力と結びつく時、子どもは恐れがあって当たり前なんだと、ジョイが平明な言葉でレクチャーしてくれます。
わたしの身体が感じている恐れには理由がある。だからこの反応が出て当たり前なんだと。言葉にすれば、それはそうだよね、と思える平明な内容なのですが、ジョイのビーイングの上で聞くと、深く深く浸透してくるのです。
しかも場の中にいると、エネルギー的に受容と共鳴と自分への許しが進みます。

それもありなんだ、と感じたことで、自分に恐怖を感じることを許したことで、逆にPTSDの発作の10秒前のような(つまり、実際には発作には進まないけれども、行こうと思えばいつでも入れるような)脳の興奮状態があるのを、好奇心とともに感じています。

ジョイがまた、ほかの人にシェアを促します。
全部はわからないけれども、ある面ではとても自分の中にある感じだ、と言ってくれた人がいました。
その方の柔らかい愛と優しさを受け取りました。
ところが聞いているうちに、いきなり腹が煮え立ち、え?これって何?と混乱がはじまりました。
相手に悪い気がして、すぐにはそれを話せませんでした。
別の方が、自分も人と繋がるときに同じような怖さを感じたり、できなかったりする、と言ってくれました。じっとしていられないくらい、わたしの手がわなわなと震えだしました。
ジョイに促され、答えました。

「わたしは今柔らかい喜びと同時に、煮えたぎるような怒りを感じている」
いてもたってもいられずに座布団をねじ切るように手を動かし始めた時、
ジョイが何が起きているか、流そうとしないでそれを感じてみて、と促してきました。

②怒りと暴力の違いと混乱のわけを理解する

「流さなくていい怒りがあるんです。あなたは今優しいかかわりの中で、かつてそれがなかったことを怒っているの。それは正当な怒りなの」
目の前にいる人に不当に向かう熱い怒り(violence)ではなく、かつて体験できなかったことを理解したためにわきあがる静かに燃える怒り(anger)。
「他者に向ける怒りは暴力、それは流す。でも純粋な怒りはあっていいの」
自分がこの区別ができなくて、怒りに繋がらないようブロックをかけていたんだ、という理解と、怒りと暴力の体感の違いが腑に落ちます。
今自分が感じているものが、静かに燃える怒り(anger)なのだと、わたしにはわからなかったのでした。ずっとこの感覚を暴力だと思い、流さなければならないものだと思い続けていました。後で、とても静かな怒りだったよ、と言われて、外から見ても怒り(anger)に見えるのだと、落とし込めました。
初めて怒り(anger)を意識し、怒り(anger)の居場所が自分の中にできていきます。

「そのまま怒りを感じていて」
お腹に急速にエネルギーが集まり、満ちていきます。体温が上がり、手が暖かくなりました。
ここをシャットダウンさせていたからずっと手が冷たかったんだ、とわたしが理解している時に、見守る人の中で起きた、暴力プロセスのシェアがあります。
「子どもは怒りと暴力の区別ができません。怖くなると子どもは暴力をふるう。あなたはとても怖かったの」
その人の中で理解が進んだ時に、わたしの中でも更に理解が進みます。

煮えたぎっていた脳が、すーっと静けさを取り戻していきます。

それを聞いてどう思いますか、とジョイがわたしに問います。
「わたしが怒りに繋がれなかったのは、わたしの中に暴力があるからです」

わたしは毎日親を殺そうと思っていたし、実行しかけては止めていました。実行したら父になる、それだけは駄目だと思い、衝動を押さえつけ、怒りのままにいることを自分に許しませんでした。
でも父親を殺したくてしかたがなかった時、どれだけ父が怖かったかを思い出しました。
自分で自分を許すことは本当に難しいことです。ただし、ほかの人の中に怖がり暴力をふるう子どもの居場所ができた時に、わたしの中にも暴力をふるいたい子どもの居場所も生まれました。

この子もいていいんだ。

そう思えたら、怒りに繋がることが本当に怖くなくなりました。
そして、暴力の体感と怒りの体感の違いも明確になりました。愛と恐怖の体感の違いも。

もう、わたしは暴力を怖れてお腹を凍えさせなくていい。暴力を通過して怒りに繋がり、怒りの中にいながら繋がりを感じること、恐怖を感じながら愛を選ぶことができる。それは混乱の中で身体を凍りつかせながら行動することと全く違う世界です。
なんて大きなギフトをもらったんだろう。

翌朝、話している人たちの輪に入ろうとするときに、何のためらいもなくすっと入っていく自分がいました。

ジョイのプロセスはオンラインの個人セッションでも体験できます。おススメですよ~。
というわけで、インターネットラジオもシェアします。

いや~。こんなの取りましたよ☆
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