家族と言う混沌

これまで個人セッションで何度か表現しつつ、どうしても越えられない壁がありました。

「誰もいない」
「快不快はわかるけど、繋がりが理解できない。親子、家、血族を頭では理解できるけど、感覚として理解できない」
「一人での自己実現、自己肯定感は達成できるけど、社会の中でどう踏ん張ったらいいかわからない(社会人としてどう適応するかではなくて。社会の中でどう自己表現していくか)」

実母、実父、実兄がいながら、0歳児(生後1ヶ月目)から、他人の家で日中を過ごしたわたしは、どうしても実家に愛着を感じることができませんでした。
賃金を介して育ててくれた育ての親、その夫、その娘との交流が一番安心できましたが、でも彼らは、夜になれば荒れている実家にわたしを引き渡す人たちでもありました。けして引き取ってくれない人たちでもありました。

実母は思い出したように、「お前はわたしのことを二階のおばさんと呼んで、育ての親をおばさんと呼んでいたのよ」と語り続け、懐かなかったことを嘆き、その一方で大きくなったら別の家に養女に行け(好意でたらーっ(汗))という人でもありました。

子どもを家に引き戻そうとしながら、けして子どもの相手をしない人でもありました。彼女の関心は常に外界にあり、植物や、教え子や、趣味の会だけに時間を使う人でした。父とのバトルに疲れて泣きじゃくり、慰めを求めてくるだけの人でもありました。

父はアルコール依存で暴れるか、なじるか、介護を必要とするかで、けしてわたしに触れたことも話しかけたこともない人でした。

兄は荒れている家から逃げ出して友人宅を泊まり歩き、夜半にすべての騒ぎが終わってから帰ってくる人でした。わたしが近寄るといじめるか、無視するかで、ほとんど交流のない相手でもありました。

わたしは父を父と呼ぶことを、母を母と呼ぶことを、兄を兄と呼ぶことを頭で理解し、義務を果たしてきました。

でも彼らのすべてに、愛はあるのです。
そしてわたしの中にも愛はあるのです。

多分、人が傷つくのは本当は憎悪や悪意のせいではない。
不完全な愛があるからこそ、断ち切ることも受け入れることもできなくて苦しむのだと思います。

個人として、父とも母とも兄ともとうに和解しています。
父はわたしに鋭敏な感性をくれた。
母はわたしに広い世界をくれた。
兄は家をついでわたしを解放してくれた。

それでもわたしは足元の地盤を感じることができない。
何もないところで、わたしは一人立つ。立てる。遊び喜び楽しめる。

でも何か基盤があると言おうとすると、繋がりを求める言葉を言おうとするとどうしても混乱と抵抗が沸き起こって収拾がつかなくなる。

これだけはどうしてもこれまで越えられなかったけれど、今回あけみちゃんの養成講座で、Pをしてもらったことで、やっとわたしの中の混沌に整理がつきました。

まずは、総勢13人にも及ぶ登場人物。
その量を見て、これは混乱するのも無理ないわ、としみじみ体感して笑いがでました。
生で見る迫力といったら(笑)
誰がどういう繋がりなのか、どういう意味があるのか、どういう位置づけなのか、小さな子どもにわかるわけがない。
わからなくて当たり前だわ。

ここでひとつの壁クリアー。
わからなかったことへの自責は消えます。

でも、わからないという現実に、どう落とし前をつけたらいいかわからない。

そこでわたしの声を代弁してくれた方が大活躍。

母に向かって、あなたは母じゃないと言うこと、自分で自分の家を選ぶということ、わたしの口からはけして言えない言葉を代弁してくれました。

わたしにはどうしても言えない。
どんなに混乱した、不完全なものであっても、愛されているの知っているから。

そして実の家族が、ことに母がそれをどんなに悲しみ、自分が育てられなかったことを悔やみ、嘆いているか感じてきたから。

代弁してもらってようやく蓋が開いて、本音が出せました。
「わたしおじちゃんとおばちゃんの家に引き取られたかった。どうして返すの、どうして返すの!?」

これもずっと言えなかった。
だって血縁でもなんでもない賃金で結ばれた仲だから。
彼らは愛することはできてもそれ以上のことはできないのもわかりきっていたから。

で、言ってはじめて凍りついた時間が流れ始めたのです。

かつて無力だった子どもは、もらえるものの中だけで選ぶしかなかった。選ぶ権利がないことで混乱することしかできなかった。
でも今のわたしは、わたしの家族はわたしが選ぶということ、実の家族も育ての家族も等しく、わたしには大切なものだと言える。双方あってわたしの基盤だと言える。

やっと言える。

これは一対一のセッションでは無理な混乱で、今まで自分でどう寄り添ったらいいのか見当がつかなかったのだけど、養成講座のおかげでやっと収拾がつきました。

あ~~~すっきりした。
でもって、よっしゃ、今度こんな混乱がでてきたらこういうやり方があるんだな、ふふふと喜び勇んでます。

一人で戦わないでいいよ。
一人でどうにかしなくていいよ。
助けを求めていいよ。
仲間がいるよ。

助けてくれたみなさん、本当にありがとう。
いつかお返しするからね♪

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