59.FAP2H

「ミルフィーユなんてものじゃないんですよ。ものすごく幾重にも重なっているものを取っても取ってもでてくるの。これでもものすごくいい仕事してるのよ」

と、言われてしまいました。
わたしの傷口は幾重にも折り重なって層になっていて、化石発掘のように次から次へと新しい地層がでてくるそうです。

「治療は9割がた終わってますよね」
「わかる?」
「わかります。今は左足の足首から下だけが過去と繋がっていて、刺激をうけると、ぽこぽこ再生されてしまうんです。犬が二人がかりで押さえつけても(←治療。目薬注し)、逃げないんですよ。ものすごく嫌がって首を振るけど、けして吠えないし、噛み付かない…あれを見ると…どうしても過去のわたしが甦ってきます。恨みは本当にしぶといですね」

といったところで前言のミルフィーユ発言。
そうか、ミルフィーユかあ。美味しそうだな~と思ったけど、いや大変です。先生が。
わたしに出来ることは実は1月で終わっていて、母とは決別しています。これ以上は自力ではどうしようもありません。まだ繋がっているけど、もう拡大再生産(身食い)はしていません。だから9割完了。今は煩悩まみれだけど、修羅じゃないの。
だけど最近ずっと気力がなかったのです。お風呂はいるのも面倒くさい。楽しいことが楽しくない。どうしてだろうと確認したら、
「依存するものがなくなっちゃったからでしょう」
とあっさり最初の5分で判明しました。

つまり、ものすご~くなんですね、1月からこの方。
なんたって自力で回復する極限まで終わってるのに、その後の展望が見えてこないまま…。ずっと焦燥感に狩られていたけど、
「依存対象がなくなって感情が止まったからでしょう。(わたしは自分のために生きるより親のために生きてきて、死にはぐれた人間なので。)で、親との分離がほとんど完了して抑鬱が出たのね。進歩進歩!」
とのこと。
「じゃ、今から感情をくっつけて行きましょう。あ、でもその前にゆがみを取っておこう」
というわけで、過去の整理のゆがみと鬱で呆けた頭の回転を良くして、感情を出せる準備完了です。
先生、手法進化してないですか?
「じゃ、感情をくっつけていこうね。言っとくけどこれ大変なのよ」
「わかります。やっと普通の欝の人ですからね」

で、地元病院の愚痴を少し。
「デパケン半年経ってもいまだに『効いてるの?』って聞かれるんですけど…」
「マジ? 論文いっぱいでてるのよ」
「病院に行くと調子が悪くなっちゃって…」
「そうだろうね~。勉強して欲しいよー」
「わたしはおとなしい患者だから、仕方がないんですけど…」

「ええ、おとなしくないでしょ! ただ父親が暴れているのを見ていたから、外に向かっていかないで、全部内に向かっていってるだけで、充分暴れているよ!」

これがいちばん響いた。
判ってもらえることってものすごく幸せです。
わたしは暴れないけどものすごくいっぱい抱えてます。でも大抵誰にも伝わらない。伝えたくもなかったけど。でもそろそろ、自分のために戦う時期じゃないかと思ってます。
母のため、周りの誰かのため、私の感情は反応型だけど、自己表現ってみんな当たり前のようにしているはず。譲れない一線って大抵はあるはず。 
「なかなか自尊心が出てこないんですけど…」
「あ、まだ出てこなくていいの。今出てきたら大変だから」
つまり、これは傷が残ったまま自尊心が出てきたら、攻撃性に回る危険性があるってことなんでしょうね。
「じゃあ、まだしばらくぐだぐだしてますね」
「そうしてそうして」

今週は獣医さんとの面会もあるし…。
診断書貰わなきゃ。

「で、そろそろ例の回復記書いてみない?」

ということなので、そのうちホームページにUPされるかもしれません。そろそろ総括しても大丈夫な時期になってきたようです。
鬱だけどね~。でもものすごく進歩なんですよ。PTSDはほとんど抜けたもの。

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