31.墓参り

今、こっそり一人で行って来ました。
ま、あるいて五分くらいのところだけど、車で…

手を合せただけで、むちゃくちゃ泣けてきた。
なんでだろう?

万が一母が迷っていたら宜しく、って、だんなの家族にお願い。
二年半も迷っていたらちょっとショックだけど。
こっちは浄土真宗だから、助けてくれるよね。
実家は曹洞宗なので、他人互助の精神はあまりないけど。

私が発病したのは彼女の死がきっかけだけど、
やっと最近、彼女のせいではない、と思えてきた。

ネグレクトも虐待もあったけど、
彼女は明治生まれの祖父に愛されずに育った、
昭和一けた生まれの
高度経済成長の時代の中の、ただの人だった。
マイホーム願望もない、
夫は外で遊んで当たり前、妻は耐えて当たり前、の世界の中で、
迷子のまま、それでもがんばって生きた人だった。
愛情があっても、愛し方は知らない、
そういう時代の、ただの愚かな人でしかない。

だからおかあさん、私は貴女を許します。

この苦しみはわたしのもの。
目覚めた私が担うもの。
ようやく、
あなたを見ないようになりました。

どの瞬間も思い出すと苦しいけれど、
傷口は自分で塞ぎます。
だからもう、
自由になってください。

なんだか自分が死んだことも知らないで、
遊びまわっていそうで、
それだけが心配です。

母が行き着くべきところに無事にたどり着けますように。

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