小さな頃見つづけた悪夢は
変身できない子ども大のウルトラマンで
必殺の武器もなくて
巨大化した怪獣相手に
毎晩闘い続けた。
毎晩、毎晩、勝ち続けた。
「え、勝っちゃったの?」
カウンセラーに驚かれた。
だからわたしの悪夢は
シーシュポスやプロメテウスの苦痛。
ない知恵をふりしぼって
勝ち続ける。
勝っても、明日にはまた
ゼロからのスタート。
勝っても勝っても
終わらない悪夢。
最近やっと、
もう勝たなくていい
ということが
判ってきた。
等身大のわたしは
気持ちいい。
でも勝ち続けてしまった分
傷は深い。
がんばった
ちいさなわたし
少年兵の眼をしている。
いつか
武器を置いて
笑ってくれるといいな。
くつろいで
大笑いしてくれるといいな。
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