否定語が頭の中を駆け巡る。
苦しいので、呼吸を整え、自分の中に沈んでみた。
「なんて可愛い子なんだろう」
ふわりと、言葉が湧き上がった。
生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて、つぶやいている大人。
わたしじゃなかった。
母だった。
驚いた。
頭では、知っていた。
ネグレクトも、愛情の産物だと。
彼女は自分では何もしなかったけど、最高の養い親を見つけてくれた。
それでも許せない怒りと、自己否定の嵐。
でも、
出てきた言葉は違っていた。
先日は
自分で自分を抱いたけど、
今回は
母がわたしを抱いていた。
やっと二歩。
大きな二歩。
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